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自閉症スペクトラム・臍帯血と臍帯血保管法について解説

[2024.06.10]

発達障害が注目されている近年、自閉症スペクトラムという障害を多くの人が耳にしているのではないでしょうか。

また自閉症スペクトラムを検索すると、幹細胞治療や臍帯血といった言葉が出てきます。そこで、本記事では自閉症スペクトラムや臍帯血は何かについて解説します。

※日本(東京院)では、法律上の規制から臍帯血治療は行っておりません。
※本記事では、臍帯血とは何かについての一般的な解説です。

自閉症スペクトラムとは

ここでは、自閉症スペクトラムについて解説します。自閉症スペクトラムとは、生まれつき脳機能障害による先天性の障害です。

明確な原因は解明されていませんが、遺伝的な要因など複雑な要因が関係しているといわれています。下記の表に、自閉症スペクトラムの原因や症状などをまとめました。

原因

・明確な原因は解明されていない
・遺伝など複雑な要因が関係している

症状 ・コミュニケーションが苦手
・ある一定の行動やものに対するこだわり
・感覚過敏
・感覚鈍麻
・環境の変化が苦手など
治療 ・療育
・薬物療法
・行動療法
※現段階で根治治療はありません

表はあくまでも、1例にすぎません。とくに、自閉症スペクトラムの症状や治療は一人一人異なります。

また診断基準はありますが、診断基準にない症状で理解されにくく辛い思いをしている人がいるのも事実です。

臍帯血が注目されている

医療が進歩する近年では、臍帯血の役割について注目されています。ここでは、さまざまな疾患に有効とされる臍帯血について解説します。

臍帯血とは

臍帯血とは、胎児と母体をつなぐ臍帯を流れている血液のことです。「へその緒」と聞くと、ピンとくる人が多いのではないでしょうか。

臍帯の長さは約50〜60㎝程あり、お母さんの胎盤から赤ちゃんへ酸素や栄養を送っています。

臍帯の中にある血液量は、約50ml~150mlです。また臍帯血の中には、造血幹細胞や色々な幹細胞が豊富に含まれています。

日本では1990年代より注目され、研究が進められてきました。近年では、さまざまな治療に有効であることが解明されています。

【臍帯血による再生医療】
・自閉症スペクトラム
・脳性麻痺
・小児難聴
・再生不良性貧血
・白血病
・先天性免疫不全症
・先天性代謝異常疾患 など

臍帯血には、身体のいたるところに変化できる可能性のある幹細胞が多く含まれています。とくに血液成分のもとになる造血に必要な幹細胞や、身体の組織のもとになる間葉系細胞が豊富であることが判明しました。

臍帯血に含まれる幹細胞は、造血や組織を再生する効果だけではありません。脳機能など、障害が起きている部分の炎症をおさえる効果も期待できます。

臍帯血の採取方法

臍帯血の採取は、以下の手順で行われます。

  1. トラブルなく出産
  2. 臍帯を切り離す
  3. 臍帯にある血管に針を刺して採取

臍帯血の採取と聞くと、赤ちゃんやお母さんの体に影響があるのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。臍帯血を採取する際は、切り離した後の臍帯に針を刺すため母子に影響はありません。

臍帯血の採取は、出産時にトラブルがないことが条件です。そのため、出産過程で何らかのトラブルが起こってしまった場合は臍帯血採取は行われません。

臍帯血保管法について

前述したように、再生医療で注目されている臍帯血ですが保管法にも注意が必要です。臍帯血の採取は、通常の採血とは異なり出産時のみ採取できる血液になります。

無菌状態での採取が必要となり、徹底された衛生管理のもと行われます。

臍帯血は、へその緒の役割を終えた臍帯から採取されます。そのため、すぐに凍結保存を行わなければ大切な細胞が死滅。

つまり、採取直後に凍結処理が必要になるということです。また民間バンクによっては、臍帯も保存可能なところもあります。すなわち細胞はどうしても凍結の影響を受けます。

凍結への細胞の影響はこちらの動画をご覧下さい

以下の表は、臍帯血を保管している臍帯血バンクをまとめたものです。

保管方法 対象 保管目的
公的バンク 第三者 重い血液疾患のある人に使用
民間バンク 出産した母親、赤ちゃんとその家族 治療が確立されていない疾患への備え

どちらの施設ともに、厚生労働省からの許可が必要です。また民間バンクについては、臍帯血保管法や業務内容を届ける必要があります。厚生労働省に届け出がされている民間バンクは、国内3箇所のみです。

臍帯血は非常に繊細かつ保管法に注意が必要であるため、2002年日本産婦人科学会より「臍帯血の私的保存に注意」として保管法について注意喚起が公表されました。

まとめ

本記事では、近年注目されている自閉症スペクトラムと臍帯血について解説してきました。自閉症スペクトラムの根本的治療は、現在も研究が進んでいます。

また実際に幹細胞治療で、自閉症スペクトラムの症状が改善した症例も公表されています。自閉症スペクトラムなど治療が確立されていない障害や疾患にも、臍帯血を用いた治療が近い将来適用される日がくるでしょう。

 

 

 

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