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慢性肝炎、肝硬変に対する幹細胞治療

慢性肝炎、肝硬変に対する最新幹細胞治療

目次

 

肝硬変の治療内容

肝硬変そのものを治療できる薬剤はほとんどないのが事実です。肝炎ウイルスなどの肝疾患の治療や肝硬変合併症を管理する目的として多くの治療法が開発されています。

  • B型肝炎ウイルスが原因の場合には、エンテカビルやテノホビルジソプロキシルフマル 酸塩(TDF), テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF) という抗ウイルス薬を内服する ことによって肝機能の改善が期待できます。
  • C型肝炎ウイルスが原因の場合には、経口抗ウイルス薬による治療が健康保険で認めら れています。ただし、腎機能がある程度以上保たれていることや併用注意となる薬剤な ど、投与前に治療可能かどうかの確認が必要ですので主治医と相談が必要です。
  • 肝硬変では分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)が不足するため、これ を薬として補充することによって肝臓でのアルブミンなどのタンパク合成能が改善しま す。
  • 肝移植:腹水や黄疸が一般的な治療によって改善しない場合には、基準を満たせば肝移植を受けられるようになりました。

国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎情報センター

生体肝移植と、その危険性

生体肝移植とは、健康な人から肝臓の一部を取り出し、レシピエントに移植する方法です。これまで国内では2500例以上の移植が行われています。現在、対症療法の薬物投与に代わって最も効果の高いと言われている治療方法です。しかし、肝臓を一部とはいえ切除する事で、術後に合併症を起こしたり、手術によりドナー(移植する側)が亡くなる死亡例もあります。死亡する原因の1つに、静脈の中で血が固まる事で肺塞栓という病気を起こします。手術は成功しても移植された肝臓が機能しない事態は1割弱の確率で起こります。また、レシピエント(移植される側)自身も合併症を起こす可能性もあり、実際に行うのは相当ハードルが高いことが分かります。

また、保険適応となっても費用は500万円程度(3割負担後の金額)必要です。非常に高額で、手術の成功も確実とは言えず費用対効果の低い方法と言えるでしょう。2017年3月31日までに国内で肝臓・肝腎同時移植を受けられた方の、登録日から移植日までの平均待機期間は490.9日(約1年4ヵ月)でした。待機時間も長く、その間に進められた治療はあったはずです。

以下、日本と米国における脳死肝移植および生体肝移植の2017年の手術件数かつ割合です。

日本では年間416件の肝移植手術が行われているのに対し、米国では8082件と約20倍もの手術が行われています。また、米国ではほとんどが脳死のドナーからによる脳死肝移植でした。米国はまさに移植大国であり、日本の手術件数との差は脳死移植の件数の違いにあります。米国での肝移植は平均$577,100と、日本円にすると6千万円以上の費用がかかります(渡航費は別途かかります。)しかしながら、米国での肝移植の待機時間は大人は149日、子供は86日と非常に短い待機時間で出来るのは魅力的です。費用面以外では、日本での肝移植を行うよりも圧倒的に迅速に行えると言えます。

国立研究開発法人国立成育医療研究センター

一般社団法人 日本移植学会①

一般社団法人 日本移植学会②

公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク

Quality in Primary Care

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当院の治療内容

痛みと不安に配慮した方法。以下で、当院での治療の流れを説明します。

当院では、骨髄幹細胞と造血幹細胞を使った肝硬変の治療を行っています。幹細胞によ る治療は、自身の骨髄から骨髄幹細胞や造血幹細胞を採取し、再び自身の体内に静脈投与 する方法です。幹細胞の採取は入院する事もなく、当日行うことが可能です。
また、当院では医師が患者さんのお宅へ出向く在宅診療も行っています。どのような患 者さんにも、対応できるのが、当院の強みです。

幹細胞治療が肝硬変に治療効果を発揮する原理

幹細胞が細胞になる様子

幹細胞は、肝硬変に対して具体的に3つの効果があります。

幹細胞移植は、以下のメカニズムで肝硬変の肝臓の細胞を治療します。

①肝細胞様細胞への分化転換

幹細胞は、あらゆる細胞になることが出来ます

幹細胞に由来する肝細胞に似た細胞で元の傷ついた細胞を再生させる方法です。MSCの 肝臓での分化は、いくつかの要因の影響を受けます。たとえば肝細胞増殖因子(HGF)な ど、その炎症作用を調節する因子の働きによって、幹細胞を分化するように誘導させるこ とが出来ます。

②免疫調節

幹細胞は、炎症を抑え、免疫系を調節します

炎症によって引き起こされる、肝硬変など慢性肝障害は、T細胞、B細胞、および単球など の免疫細胞を増やし、過剰な免疫反応を引き起こします。つまり、幹細胞の免疫調節を行い過剰な免疫反応を抑える特性は、肝疾患に有利な効果を持つことができます。 これはパラクリン効果と呼ばれ、幹細胞によって放出されるサイトカインという炎症反応で放出される 物質によって、傷ついた細胞を治します。
また、免疫調節効果は、幹細胞は免疫系の細胞になることが出来、炎症反応を抑えます。これら の効果に加え、幹細胞は傷つき正常な機能が出来なくなった細胞に取って代わることが出来ます。

③抗線維化活性

幹細胞は、肝硬変により肝臓が硬くなるのを防ぎます

肝硬変は、肝臓が炎症により線維化してしまう病気です。幹細胞は、そのように肝硬変に よって線維化される機構を止める作用があると言われています。

肝疾患の治療のための間葉系幹細胞:現在と展望

Mesenchymal stromal cell therapy for liver diseases

肝硬変に対する幹細胞治療のエビデンス、医学研究、医学論文の紹介

原理より実際の症状。幹細胞の投与で肝硬変が治る治療は実際に行われています

1.肝硬変患者に幹細胞を投与し、肝硬変の症状が改善した症例

幹細胞は自分の細胞由来で、様々な細胞になることが出来ます。そのため、幹細胞治療 は変化してしまった神経細胞を正常な細胞に置き換えることが出来、炎症反応も抑制する 事から、根本的に病気を治療する手段と言えます。また、静脈内投与である為、比較的簡 易に行うことも出来、画期的な治療方法です。

ここで、幹細胞を肝硬変の患者4人に移植し、移植後半年で末期肝疾患(MELD)のスコア が改善した事を証明した論文を紹介いたします。
2007年、非代償性肝硬変の4人の患者を対象に、幹細胞を注入し、治療としての注入が安 全で実行可能であることを示しました。末期肝疾患(MELD)スコアによると、6か月で4 人中3人の患者で改善し、そのうち2人は12か月まで安定して改善したままでした。

これは、肝臓を輪切りにしたCTスキャンです。左(A)は幹細胞移植前、右(B)は幹細胞移植 後6ヶ月を示しています。白い縁取りで覆われているのが肝臓の右葉で、左では肝硬変の 特徴である肝臓の萎縮により大きさが小さくなっていますが、右では大きさも大きくな り、正常の肝臓の大きさに戻っていることが分かります。

これは、患者4人に対する幹細胞注入後の数値の改善度合です。Baseline(幹細胞注入前) からEnd of follow-up(幹細胞注入後、追跡終了時)まで、どの患者も改善していることが分かります。

肝疾患の治療のための間葉系幹細胞:現在と展望

自家骨髄間葉系幹細胞の第1相試験非代償性肝硬変患者への移植

2.B型肝炎による肝不全患者における骨髄幹細胞移植

B型肝炎による肝不全に幹細胞を投与する事で、肝細胞癌の発生を防ぐことが出来るのです。

B型肝炎により肝不全と診断された患者53人に対し、骨髄幹細胞を投与し、肝細胞癌の発生率と死亡率を低下させた研究を紹介いたします。長期間にわたる慢性的なB型肝炎は肝硬変に繋がり、悪化する事で肝細胞癌へと発展します。ここで、骨髄幹細胞は画期的な治療薬として注目されています。

研究は192週間かけて観察されました。以下、幹細胞移植後1〜4週間の肝機能比較です。(短期間観察)

肝機能のグラフ

表から分かるように、末期肝疾患モデル(MELD)スコアは移植3週目に、移植していない患者さんと比べて減少しました。つまり、肝機能が幹細胞により向上したことが分かります。

以下、同様に幹細胞移植後長期間に渡って観察した肝機能比較です。

肝機能検査結果

こちらも同様に、末期肝疾患モデル(MELD)スコアは移植した患者では上昇していました。

以上の結果から、幹細胞の投与によりB型肝炎による肝硬変の機能を改善する事が分かりました。

B型肝炎によって引き起こされた肝不全患者における自家骨髄間葉系幹細胞移植

幹細胞による肝臓の病気への実際の治療

以下、実際に幹細胞により肝臓の病気を治した動画を和訳したものです。

肝臓は、代謝の中心的な役割を果たす臓器ですが、非常に病気になりやすい臓器です。ミシャ・エモンは肝臓を専門にするドイツの医師です。そして彼は長年C型肝炎に対し熱心に研究してきました。C型肝炎は多くの人が未治療のままで、肝臓癌になる恐れがある病気です。肝炎は肝移植の主な原因です。しかし、何年もの研究により、肝移植を必ずしもしなくて済むようになりました。彼の同僚は、先天的代謝障がい、つまり脂肪肝のような他の肝臓の病気に焦点を当て、研究しました。

肝臓の再生に焦点を絞って研究をしていたトビアス・カーンという研究者とともに、肝臓はどのようにして通常の生態環境の中で育つのか、より良い肝臓をどのように作り上げるのか、研究しました。患者さんが自身の細胞を使い、拒絶反応もなく、治療をすることが可能になります。また、移植された幹細胞は、機能できていない細胞に取って代わることが出来、病気の原因の細胞を取り除く必要がありません。

しかしながらこれを実現するには長い道のりが必要です。そこで私たちは遺伝子レベルで研究する事にしました。私たちの今までの研究では肝細胞内にある筋肉の線維をうまく変えることに成功しています。

既存の治療と一般的な治療と比較したメリット

ウイルス感染、アルコール乱用、または代謝性疾患から生じるような慢性の肝機能障害 は、肝硬変および肝不全を引き起こします。末期肝硬変のための究極の治療は、肝移植で す。しかし、移植は多くの国で、容易に利用できず、移植が利用できる国では、臓器不足 と移植は高コストであるにより、多くの患者にとって非現実的な選択肢となっています。

ここで、注目されているのが幹細胞移植です。幹細胞移植は、肝硬変の進行を防ぎ、進 行した線維化を治療する事が出来ます。つまり、肝臓が肝硬変により硬くなるのを防ぐのです。また、幹細胞は自己の細胞になれる能力を持つため、免疫的な観点からも、倫理的な観点からも安心できます。一般的な治療(保険適応)は服薬がメインですが、これらは対症療法で、根本的に肝硬変を治療するものではありませ ん。対して、幹細胞移植は、傷ついた(線維化した)細胞自身になることの出来る細胞を 移植するため、病気を引き起こしている組織や臓器自体を、完全に正常なものに変えるこ とが出来るのです。画期的な治療方法として、非常に注目されています。

肝疾患の治療のための間葉系幹細胞:現在と展望

幹細胞治療の流れ

幹細胞治療の様子

当院では、安心、安全な治療を行っています。

当院での治療の流れを説明します。大まかな流れとして、まず患者さんの骨髄を採取し て、静脈に点滴で幹細胞を移植します。1回治療を行い、3か月後に治療効果を判定し、 次回以降の治療を決定します。患者さんの病気の状況次第で臨機応変に対応いたします。

実際に期待できる症状の改善の例

幹細胞の投与により、実際に患者さんを治療し改善しています

論文では、以下の通りの効果が実証されています。

  • 肝臓の大きさが正常に戻りました
  • 肝臓の線維化を防ぐことが出来ました
  • 肝機能が正常になりました
  • 腹水などの合併症も改善しました
  • 倦怠感などの症状も無くすことが出来ました

肝疾患の治療のための間葉系幹細胞:現在と展望

肝硬変について、もっと詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

1.慢性肝炎・肝硬変の歴史

1940年代、昭和10年代に流行性肝炎の人体実験を行い、A型肝炎とB型肝炎が判明しまし た。当時、B型は潜伏期間が長いために、集団感染が多いのはA型ということが分かってい ました。昭和47年頃、B型肝炎の診断が確立し、研究が盛んにおこなわれました。肝炎の 中でもB型は治るという認識でした。この当時、A型でもB型でもない肝炎のことを非A非B 肝炎と呼び、慢性化し、何年、何十年と残ると言われていました。1992年、非A非B肝炎 と呼ばれていた肝炎の99%がC型と判明し、C型肝炎の診断法が確立しました。このよう な慢性化する肝炎が進行することで肝硬変になることが明らかになりました。肝硬変の 60~70%がC型肝炎です。1982年、非A非B型肝炎の追跡によって、肝硬変、肝ガンに進ん だ人が確認されました。

肝炎シンポジウム:第1部「肝炎の歴史と現在の治療」

2.慢性肝炎・肝硬変の疫学

我が国における肝硬変による死亡者数は、1968年に初めて死因第10位となり、その時以来 日本では成人病の大きな要因として注目されてきました。1987年、「慢性肝炎および肝硬 変」によると、肝硬変による死者数は、16672人に達し、内訳として男性11514名、女性 5158名でありました。全死亡率では2.3%を占め、男性では7位、女性では10位の死亡順位 となりました。特に熟年男性での死亡率が高く、年齢別の死亡順位は45~59歳では第4位、 65~69歳では第5位でありました。男性では肝硬変の患者数はやや減少傾向にあり、女性は 1970年以降減少しています。

肝硬変:診断と治療の進歩 原田尚

3.慢性肝炎・肝硬変の原因

先進国における肝硬変の一般的な原因は以下の通りです。

  • 慢性的なアルコール乱用(長期間の大量飲酒)
  •  B,C型慢性肝炎(少なくとも6カ月続いているC型肝炎)
  •  飲酒によらない脂肪肝(非アルコール性脂肪肝炎)

慢性的なアルコールの摂取によって肝臓が傷ついてしまう事の一つに、脂肪肝がありま す。脂肪肝は脂肪が肝臓に蓄積する事です。また、飲酒によらない脂肪肝は、体重が過剰 に多い人、糖尿病の人、コレステロールの値が高い人で起こります。 アジアおよびアフリカの多くの地域では、慢性B型肝炎が起因します。

MSDマニュアル家庭版

4.慢性肝炎・肝硬変症状

肝硬変のある患者は、何年間も無症状で、一見元気そうに見えます。約1/3の患者は無症状 です。無症状以外の患者は全身的に症状が優れなくなります。主な症状は以下の通りで す。

  • 指先が肥大します(ばち状指)
  •  黄疸が起き、皮膚や白目の部分が黄色くなったり、尿がコーラのように黒く見える 事があります
  •  脂肪や脂溶性ビタミンが吸収されにくい場合、便は色が薄く、柔らかくなり、脂っ ぽい異臭がすることがあります
  • 食欲不振や体重減少等の症状が見られます
  •  皮膚に点状または斑点状の赤紫色の発疹が見られる事があります 
  • 体中にかゆみが出ます
  •  小さくて黄色い脂肪の塊が皮膚や瞼に沈着する事があります

また、原因がアルコール乱用によるものであった場合、または患者に慢性の肝疾患がある 場合、以下のような症状が見られます。

  • 筋肉が衰える
  •  掌が赤くなる
  •  手の腱が縮み、指が曲がる
  •  皮膚に小さな、クモが足を広げたような血管腫が出来る
  •  頬の唾液腺が腫れる
  •  末梢神経が正常に機能しなくなる
  •  男性の場合、女性ホルモンを正常に分解できなくなるので、乳房が膨らみ、精巣が 小さくなる。

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5.肝硬変の合併症

肝硬変が進行すると、さらに別の病気が進行します

  1. 門脈圧亢進症
  2.  腹水
  3.  脂肪およびビタミンの吸収不良
  4.  異常な出血
  5.  腎不全
  6.  脳機能の低下
  7.  肝臓がん

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6.肝硬変の診断

肝硬変の血液検査による診断基準は以下の通りです。

アルブミン値:肝臓で作られるタンパク質の代表。肝硬変になると多くの場合、3.5 g/dL 以下に低下します。
血小板:止血の際に働く血球の代表。肝臓の線維化が進行すると徐々に血小板数が減少し ます。肝硬変では血小板数10万 /mm3以下が目安とされています。
コリンエステラーゼ:肝臓で作られるタンパク質。肝硬変では低下します。 プロトロンビン時間:血液が固まる時間を表す。肝硬変では血液凝固因子が低下するため プロトロンビン時間が延長します。
アンモニア:腸内細菌で産生されるが、肝硬変では分解が低下するため血液中に増加しま す。
総ビリルビン:黄疸を表す指数。肝硬変で機能低下がおこると上昇します。 M2BPGi (Mac-2 binding protein glycosylation isomer):2015年より保険収載された肝線維 化の新規血清マーカーです。B型、C型慢性肝炎やNAFLD症例において病期の進行に伴い 上昇します。B型慢性肝炎やNAFLD症例のM2BPGi値はC型肝炎例に比べると低いこと、病 因によりM2BPGiの標準値が異なることが報告されています。
FIB-4 index:AST (IU/L) x 年齢(歳) / {10 x血小板数 (万/μL) x√ALT(IU/L)}    ※単位を本邦に合わせて記載。
FIB-4 indexは血液生化学検査データ(ALT, AST, 血小板数)を用いて肝線維化の予測を行う スコアリングシステムです。

また、画像診断の診断方法は以下の通りです。

腹部超音波
肝硬変かどうかを超音波だけで診断することは困難ですが、進行すると肝表面の凹凸が明 らかになり、肝臓の内部が粗く描出されます。肝臓が硬くなると、腸管からの血液を肝臓 に運ぶ門脈の圧力が高くなるため、シャントと呼ばれる異常血管の発達を認めることがあ ります。
腹水の有無や脾臓腫大の程度も分かります。
肝硬度測定(フィブロスキャン®)
検査を受ける人は、超音波検査のように横になり、右上肢を拳上し肋間を広げます。脇腹 に当てたプローブ内の装置から発生した弱い振動波が肝臓を伝わる速度を超音波を使って 測定します。振動波は硬い物質の中では速く、軟らかい物質の中では遅く伝わることを利 用して、肝臓の硬さを算出します。計測時間は2~5分程度で、痛みはありません。外来で 繰り返しの計測も可能であり、経過観察への応用も期待されています。
MR elastography (MRE)
検査を受ける人はMRI装置に横になります。胸部に当てたプラスチックの板が振動し肝臓 を振動させます。振動波は硬い部分では速く、軟らかい部分では遅く伝わり、その波の伝 わり方の変化をMRIでとらえて相対的な硬さを算出し、色分けした画像として表示しま す。検査に伴う痛みはなく期間をあけて測定することにより病期の改善または進行を評価 することができます。超音波では評価が困難な肥満の方でも客観的に線維化を診断するこ とが可能です。
腹部CTスキャン
肝硬変かどうかをCTスキャンだけで診断することは困難ですが、肝表面の凹凸の程度、肝 臓の右葉と左葉の大きさのバランス、脾臓の大きさ、腹水、肝腫瘍などを調べることが可 能です。造影剤を使用すると、肝硬変で発達することの多いシャントと呼ばれる異常血管 の存在がよく分かります。
腹腔鏡
肉眼的に肝臓を観察し、肝硬変かどうかを直接診断することができます。
肝生検
肝臓に細い針を刺してごく一部を採取して、顕微鏡で肝硬変かどうかを診断します。 


国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎情報センター

7.肝硬変の病態

わが国では、肝硬変の主な原因はウイルスによるものです。B型やC型肝炎ウイルスによる 感染、アルコールや非アルコール性脂肪性肝炎などによって肝臓に炎症を生じ、その炎症 を治すときに、線維(コラーゲン)というタンパク質が増えて、肝臓に広がる状態のこと を指します。肉眼像では、肝臓全体が線維化により硬くなり、大きさも小さくなります。 肝硬変では、肝細胞癌の発生頻度が高く、大きな死因となっています。肝硬変と発がんの 直接的なメカニズムは分かっていません。

 日本消火器病学会ガイドライン 肝硬変

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8.肝硬変の予後

肝硬変は元に戻ることはなく、通常は進行性で症状は悪化していく一方ですが、どのくら い早く進行するかは予測が出来ません。肝硬変患者の予後は、原因や重症度、その他の症 状や病気の有無、治療がどれほど効果的かによって変わります。
肝硬変患者が大きな合併症(吐血、脳機能異常、腹水など)が起こると、予後はさらに悪く なります。

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9.罹患した著名人
  • 横山やすし(漫才師)
  • ウィリアム4世(イギリス国王)
  • 小林すすむ(俳優)
  • 春一番(ものまね芸人)

訃報新聞

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