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発達障害・自閉症スペクトラムへの遺伝子検査が必要?

[2024.04.27]

自閉症への遺伝子検査サービス開始

「発達障害や自閉症の原因は?確定診断方法はあるの?」
「遺伝子検査で何かわかるの?」
とお考えではないでしょうか?

近年、注目されている発達障害。とくに、自閉症スペクトラムについて、多くの人が見聞きするようになった障害ではないでしょうか。

世の中に浸透しつつある自閉症スペクトラムですが、原因や症状についての理解が浸透しているとは言えません。そこで本記事では、発達障害の1つである自閉症スペクトラムの原因や確定診断にスポットをあてて解説します。

発達障害・自閉症スペクトラムとは

発達障害とは、生まれつき脳機能に障害がある状態です。育て方や育った環境が原因と思われがちですが、生まれつきの障害であるため後天性の障害ではありません。とくに自閉症スペクトラムは、一昔前まで広汎性発達障害やアスペルガー症候群などさまざまな名称で呼ばれていました。

2013年にアメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5が発表されて以降、連続体という意味で自閉症スペクトラムと総称しています。ここでは、発達障害の原因と7つの種類・自閉症スペクトラムについて解説します。

発達障害の原因

発達障害の原因は、生まれつき脳機能に障害があることが分かっています。しかし、ダウン症のように染色体異常といったようなハッキリした原因は解明されていません。

また親からの遺伝や、食品・内服薬が原因ではないかと諸説あるようです。近年では医学の進歩とともに研究も進み、2024年4月にヴィクトル・H・アールクヴィスト博士らにより妊娠中のアセトアミノフェンと発達障害の関連リスクは関係ないと示されています。

発達障害7つの種類

発達障害と聞くと、多くの人が自閉症スペクトラムやADHDを頭に浮かぶのではないでしょうか。発達障害は、DSM-5において7つの種類に分かれています。以下の表に、7つの発達障害をまとめました。

障害名 特徴
自閉症スペクトラム

・コミュニケーションが苦手
・対人関係が上手く築けない
・一定のものや行動のこだわり
・興味の偏り など

ADHD
(注欠陥多動症)
・集中できない
・多動、不注意、忘れ物が多い
・衝動的行動が見られる など
コミュニケーション障害 ・冗談が通じない
・オウム返し
・会話がかみ合わない など
限局性学習障害 ・字を書くことが苦手
・文章を読むことが苦手
・算数が苦手 など
知的障害 ・理解力の遅れ
・言葉の遅れ など
発達協調性運動障害 ・体幹が弱い
・同一姿勢を保てない
・転びやすい など
チック症 ・急に体が動く
・急に声が出る など
無意識に声や体が動いてしまう

発達障害のある人の中には、いくつかの発達障害を併せ持つ人もいます。また発達障害が要因となり2次障害を発症してしまうケースも。発達障害の特性に合わせ、医療や福祉などさまざまな支援の連携が必要になります。

自閉症スペクトラムの特徴

自閉症の原因は、前述したように生まれつき脳機能の障害によっておこる先天性の障害です。何度も言うようですが、両親の育て方や生活環境が原因ではありません。自閉症の特徴は下記の通りです。

  • 社会的コミュニケーションや対人関係が困難
  • ある一定のものに興味関心、こだわりがある
  • 同じ行動を繰り返す
  • 感覚過敏、感覚鈍麻
  • 年齢相応の対人関係が築けない
  • 勉強や職業が障害されている など

自閉症スペクトラムのある人の中には、知的障害やADHDを併せ持つ状態のことがあります。ただし、ここにあげた特徴が当てはまる理由で、必ずしも自閉症スペクトラムとは限りません。自閉症スペクトラムの確定診断については、詳しく後述していますので参考にされてみてください。

自閉症スペクトラムの治療

ここまでは、発達障害及び自閉症の特徴などについて解説してきました。ここからは、自閉症スペクトラムの治療について解説していきます。

自閉症スペクトラムを、根本的に完治させる方法は現時点で開発されていません。そのため、以下の治療法を組み合わせ一人一人の症状に合った治療が必要とされています。

  • 行動療法
  • 言語療法
  • 心理療法
  • 薬物療法 など

自閉症スペクトラムのある人は、独自の方法で社会性や学習面を学んでいく傾向にあります。治療を受ける際は、必ず専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。また、2012年に注目を浴びたiPsによる再生医療も進歩しているのも事実です。

当院では、いち早く自閉症スペクトラムのある人に対し幹細胞治療に着目しました。また幹細胞治療を行うことで、自閉症スペクトラムのある人の人生そのものを変える可能性があります。

もし自閉症スペクトラムの症状を改善し、生活の困難が少なくなるとしたら。そう考えると、これまで障害が原因で学ぶことが困難である学びや社会性を学べる可能性も広がります。当院で行っている幹細胞治療についての詳細は、「自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に対する最新治療、間葉系幹細胞移植治療」でお読みいただけます。幹細胞治療の必要性や、エビデンス・治療例についても解説していますので是非ご一読ください。

発達障害・自閉症スペクトラムの確定診断と診断基準

ここでは、発達障害および自閉症スペクトラムの確定診断と診断基準について解説します。発達障害疑いのある子どもや、自身が発達障害の疑いがある人は、把握しておくと今後の生活や治療に役立つでしょう。

発達障害・自閉症スペクトラムの確定診断に用いる検査

発達障害および自閉症スペクトラムの確定診断は、アメリカ精神医学会が発表しているDSM-5やWHOのICD(国際疾病分類)の診断基準が用いられます。

診断基準をもとに、下記の3つの特徴と本人が社会生活を送るうえで苦しいと感じている状況があるときに「自閉症スペクトラム」と診断されます。

  1. 対人社会の質的な障害
  2. 言語コミュニケーションの質的障害
  3. つよいこだわり

反対に、診断基準を満たしていても本人や家族が社会生活において苦痛を感じていなければ「自閉症スペクトラム」とは診断されません。

発達検査だけでは診断できない

発達障害および自閉症スペクトラムは、前述した検査基準を満たしていることを理由に診断される訳ではありません。診断基準を満たしたかつ、日常生活において困難を感じているかがポイントです。

【例】
自閉症スペクトラムが疑われる人がいるとします。
周囲から見ると明らかに、こだわりが強いと思われる状態。
しかし本人や家族は、そのことを日常生活において困ったことと捉えていません。

上記のように、周囲からみたらこだわりが強く本人も辛いと感じていても当事者や家族はいつもと変わらないと感じている時点で自閉症スペクトラムや発達障害とは診断できないのです。

反対に、周囲は気付かないけれど本人含め家族が特性により日常生活に困難を感じている場合は診断基準と合わせ発達障害もしくは自閉症スペクトラムと診断されます。

発達障害・自閉症スペクトラムの診断には遺伝子検査が必要

ここからは、発達障害および自閉症スペクトラムの診断に遺伝子検査が必要なの解説していきます。MRIや血液検査を行っても、確定できる異常がないのが発達障害および自閉症スペクトラムの特徴です。

しかし、発達障害や自閉症スペクトラムの急増により遺伝子検査レベルで診断可能か研究が進んでいます。

具体的には、自閉症のお子様を集めた研究で、よくある遺伝子変異の情報が蓄積されてきました。当院ではその代表的な自閉症の遺伝子を持っているかどうかを遺伝子検査で確認します。

流れとしては、郵送か来院で唾液を採取させていただき、そこから遺伝子検査を行います。約3か月ほどで、自閉症の代表的遺伝子を持っているかがわかります。

 

【半欠損】
2つあることが正常なCHD8遺伝子の1つが欠損している状態

なお、研究によると、ヒト自閉症患者の多くに遺伝子が半欠損している異変を発見。この半欠損の遺伝子をもとに人工的マウスを誕生させ行動を観察したという内容です。半欠損した遺伝子をもとに人工的に誕生させたマウスにも、ヒト自閉症と同じような症状が見られたという結果がでました。

引用:自閉症に関する共同研究の成果」https://www.fujita-hu.ac.jp/~smedsci/news/22_57cfd8006bc09/index.html九州大学生体防御医研究所・中山敬一主観教授、西山正章助教、片山雄太研究員および理化学研究所脳科学総合研究センターの内匠透チームリーダー、藤田保健衛生大学総合医科学研究システム医科学研究部門・宮川剛教授、昌子浩孝研究員ら共同チーム

 

発達障害・自閉症スペクトラムの確定診断には遺伝子検査も含めて検討を

今回は、発達障害の1つである自閉症スペクトラムの原因や治療・確定診断に遺伝子検査が必要かについて解説してきました。発達障害および自閉症スペクトラムの確定診断には、さまざまな検査を行い判断基準と当事者や家族が困難を感じているかが重要になります。また医療や科学の進歩により、将来的に遺伝子検査での確定診断ができる日が訪れるでしょう。

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