自閉症、発達障害の最新治療、間葉系骨髄(臍帯血)血幹細胞移植治療
自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に対する最新治療、間葉系幹細胞移植治療
当院で幹細胞治療を行われたお母様の感想です。お子様の人生が改善する可能性を見逃さないで頂きたく思います。アメリカのトップレベルの大学病院(デューク大学)で行なわれている自閉症への最新治療、間葉系幹細胞移植治療、骨髄血移植を行える日本で数少ないの民間医療機関です。
自閉症幹細胞治療目次
- 幹細胞、自閉症治療とは
- 自閉症に対する海外で実際に行われた間葉系幹細胞治療
- 自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害の間葉系骨髄血幹細胞移植治療の内容
- 臍帯血幹細胞と骨髄血幹細胞の自閉症治療への違い
- 幹細胞治療と幹細胞上清液治療(エクソソーム)の違い
- 間葉系幹細胞治療が自閉症に治療効果を発揮する原理
- 自閉症に対する間葉系幹細胞治療のエビデンス、医学研究、医学論文の紹介
- 既存の治療と一般的な治療と比較したメリット
- 間葉系幹細胞治療の流れ
- 間葉系幹細胞治療で期待できる体内の効果
- 間葉系幹細胞治療と併用可能な治療
- 間葉系幹細胞治療に対する質問集
- 自閉症と幹細胞治療の未来(ips細胞など)
- 自閉症について、もっと詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
幹細胞による自閉症、発達障害最新治療
何を隠そう私の兄弟は発達障害で、大変な人生を送っています。家族の皆様の苦労も同じようにわかります。学校、クリニック、カウンセリングなどなど、、今まで果てしない時間とお金を家族でかけてきましたが、良くなることはありませんでした。私がこの自閉症に対する間葉系幹細胞移植治療に興味を持ったきっかけは、その兄弟が他の病気の治療目的で受けた間葉系幹細胞治療によりその症状が改善したことでした。もし彼が若い頃に間葉系幹細胞移植治療を受けれていたら、全く違う人生を送ることができたでしょう。
みなさまご存知の通り、精神科に行っても実際は有効な治療はほぼありません。というのも精神科の医療ができることは主に投薬のみで、自閉症の根本的な病気の原因にアプローチした治療ではないからです。医師も諦めているのが現状です。しかし、現在医学の発展により、症状を根本から改善させる可能性が出てきました。それが「自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に対する最新治療、間葉系幹細胞治療」です。
注意していただきたい点があります。今かかってる医師がいる場合、仮に間葉系幹細胞治療のことを相談してもほとんど有益な回答は得られないでしょう。というのも、日本では間葉系幹細胞治療自体が非常に新しいものであるため、ほとんどの日本の医師は間葉系幹細胞治療に関しての知識はないからです。良識のある医師であれば知識がないにも関わらず、生半可な知識であなたに何かをアドバイスすることはないでしょう。
では、大切なお子様のためにどうすればいいのでしょうか、これは最新治療であって、あなた自身が、病気について、治療法についてご自身で理解した上で、ご自分で判断していただきたいのです。そのために、このページではできるだけ客観的なデータを集めさせていただきました。自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害がなぜ起きるのか、から、自閉症への最新治療であるからこそ、どのような医学的な原理、理論で間葉系幹細胞治療が効果を発揮するのか、そして実際に自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に対してどのような効果が期待できるのか、を理論的に詳しく説明していきます。もちろんこれらは大変なことは重々承知ですが、ご自身での判断を放棄せずに、あくまでご自分の判断で治療の決定を行っていただきたいと思います。そして、分からないことがあれば、どんなに些細なことでも当院まで問い合わせをしていただきたいです。自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に対する間葉系幹細胞治療自体は、「医学」という学問を基礎とした、他の分野ですでに多くの臨床実績を持つ、医学的な「治療」(最新治療)です。医学的な根拠のない、いわゆる「民間療法」とは大きく異なります。
大事なご家族に根本的に症状の改善する治療を行ってあげることができるかどうか、それはあなたの判断にかかっているのです。
実際に自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害の子供に間葉系幹細胞を投与する治療は、アメリカを含む海外で行われており、症状の改善が報告されています。ご両親が第一歩を踏み出すことによって、自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害のお子様の症状を改善することができる可能性があるのです。
自閉症、発達障害の症状
1、言葉や言語発達の遅れ
2、コミュニーションの発達に問題がある
3、パターン化した常同行動
4、感覚系統の異常
5、知的障害の合併が多い
などの特徴がある神経発達症(発達障害)の一つです。生まれつきの脳機能の障害であり、遺伝的要因はあるとされていますが、育て方(教育)に問題がある訳ではありません。自閉症スペクトラムの発生頻度は、約25年ほど前まで1000人に1人〜2人とされていましたが近年では100人に1人(アメリカでは100人に5人以上)といった報告がされています。より詳しくは、こちらで確認ください
アメリカ、デューク大学での自閉症に対する最新間葉系幹細胞治療
全米Top10に入るDuke大学(デューク大学)で、当院と同様の自閉症スペクトラムに対する間葉系幹細胞治療が行われています。
Duke大学(デューク大学)で実際に治療を受けた方の保護者の感想
※以下、動画の和訳になります。
自閉症の6歳の男の子の間葉系幹細胞治療の話
当時息子はもうすぐ4歳で、未だ流暢に話すことが出来ませんでした。ほんの少ししか会話も出来ず、アイコンタクトも好きではありませんでした。私たちは、神経内科に連れていき、自閉症スペクトラムのことを初めて伝えられました。
母「当時息子はもうすぐ4歳で、未だ流暢に話すことが出来ませんでした。彼は話しませんが、私が望んでないようなほんの少し言葉を話しました。私はなにもしていません、そっとしておきました。そして、何が起こっているかをスピーチセラピストに話に行こうと考えました。数回の会合の後、彼は私たちに、息子はアイコンタクトをするのが好きでないと伝えました。そして、神経内科医に、これは何か別のものでないかどうかを見てもらうべきだと伝えました。女性の神経内科医は、ASD(自閉症スペクトラム障害)について私たちに伝えました。」
診断
自閉症が正確に診断されたのは一年後でした。そして、私たちはABAセラピーに通い始めました。ここで、私たちは間葉系幹細胞治療と出会うのです。
母「私たちは、正確な診断は一年後、ブカレストの精神科医のもとに到達したときに分かりました。私たちが女性の神経内科医の元へ行ったとき、ASDについて話されました。彼女は、私たちに、ブラショフにある公益社団法人に連絡を取り、セラピーを始めるように伝えました。これは、一日二時間を五日間、ABAセラピーを行う事を意味していました。」
アントニア(セラピスト)「私たちは三年前から協力し始めました。その当時、彼は3歳11ヶ月でした。最初、彼は多くの治療が必要な箇所があり、彼は言語において大きな遅れをとっていました。認知における発達のレベルの観点では、遅れもありました。注意欠陥は非常に大きく、行動レベルにおいて、多くの不適切行動がありました。彼は叫び、咬み、、、そこで、どうにかしてこの治療過程を始め、行動の面においても介入があり、先生たちは私たちを多大に助けてくれました。」
私たちは、息子の臍帯の細胞を保存していました。それを用いて間葉系幹細胞を移植する事を試みたのです。これは自閉症治療への新しい試みでした。
母「私たちは、夫が固執し、やるべきと言ったので、小さな男の子(自閉症を持つ息子の弟)の細胞を生まれた時に保存していました。私たちは、レジーナマリア(病院)にeメールを送りました。そして、「息子の障碍に対し、彼の弟の細胞は使えないか?」と尋ねました。アリナはレジーナマリアから私たちを呼びました。それが全てが始まった時だったのです。彼女は私にアメリカの大学病院に行くことになる可能性を説明しました、、、私たちは続けました。私たちにとっての最初のステップは、その二人の男の子たち(自閉症の息子とその弟)間に移植に適合があるかどうかという事でした。アメリカから綿棒とともに検査キットを手に入れたりすることは、とても興味深かったです。息子の唾液をアメリカに送り返さなければいけませんでした。そして、3週間後、答えは来ました。答えはYESでした。彼らは6個の項目で5個マッチしました。これはとても高いパーセンテージです。もし私たち(親子が)が移植に適合があれば、全て私が変わりに行って、この夢のような出来事に進んだでしょう。
アメリカでの治療
私たちは、アメリカ,デューク大学で自閉症の息子へ、自閉症の最新治療、間葉系幹細胞移植の手術を行いました。手術は成功し、手術6ヶ月後、彼は身振り手振りをするようになり、笑うようになりました。治療前ではありえない事でした。
母「私は、当時薬を使って今のような症状だったとしても、投薬なしにできるとすればそれはプラスだと考えました。最近、治療3ヶ月後、私たちはその投薬を50%も減らすことが出来たのです。それは、手から静脈点滴でした。静脈投与は、約一時間続きました。そして10分間準備となる点滴をして、別の注入により10分間間葉系幹細胞を点滴し、総じて20分後、彼はなにか別のものを点滴されました。そして彼は(異常がないか)しばらく観察されました。(今は)もうこの治療はしなくても良い状態です。彼が受け入れてくれたから良かったのです。全てが上手くいきました。私たちは手と手を取って、自分たちの足で一緒に帰りました。すべてが大丈夫でした。間葉系幹細胞の点滴後、訪問した内科医は、私たちに、3ヶ月後、いくつかの変化があるだろうと伝えました。そして6ヶ月後、さらに1年後、彼は身振り手振りをするようになり、彼は笑うようになりました。
ルーマニアに帰国後
治療の結果
間葉系幹細胞による治療後、社交的になり、いままでいなかった同級生の友達と遊べるようになりました。間葉系幹細胞治療は、自閉症の子供を社会復帰させる治療法なのです。
母「言語の観点から言えば、私たちは、言語においていくつかの明白な変化がありました。そして、社交性の面で言えば、幼稚園で、彼は隣に立つ事さえできなかった同級生たちと遊び始めました。現在、彼はシンプルに彼らと遊んでいます。彼はそれらの男の子達と遊んでいるのです。」
アントニア「彼はアイコンタクトを続け、他の人とつながりました。彼は、友達を作るレベル、友達を作りたいと思うレベルにまで到達しました。」
母「私たちには彼を約二年前から診察している特別な内科医がいました。そして、私たちは彼女に月一回の検査で訪ねました。2年目の毎月のフォローアップで10分間彼とコミュニケーションをとった後、 私たちはその女性の内科医が涙ぐむのを見ました。私の子供の改善具合を見て、彼女は泣いたのです。彼女は、3か月前と比較して、最近彼はとてもよくなっていると見ていました。なんと素晴らしいことでしょうか!」
アントニア「彼は毎回いつも私たちを驚かせ続けました。彼はこれからも間違いなく良くなっていくでしょう!」
母「あらゆる種類の病気を子供を持つことは、この様な事は起こってはいけないことですが、しかし、それは起こります。公平ではありません。しかし、これが人生です、あなただけが戦うことができるのです。あなたの子供のためにあなた自身の力で何でもすることが出来るのです。結局あなたが息をするときは、あなたはあなたの子供のために息をする。そしてもし、、、わからない、、、戦うしかないんです。それが、私が他の親たちに勧めることです。信じること、希望を持つことを止めるなと言ってきたことです。」
このドキュメンタリーはセラピーから3ヶ月後、子供の投薬量が半分に減った時に収録されたものです。間葉系幹細胞治療から6ヶ月後、投薬は完全に取り除かれました。この子供はABAセラピーを今も目覚ましい進歩とともに続けています。
自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害の最新間葉系骨髄血幹細胞移植治療の内容
間葉系幹細胞治療とは、お子様の一生を変え得るポテンシャルがあります。当院では、骨髄幹細胞と造血幹細胞を使った自閉症スペクトラム障害の治療を行っています。
間葉系幹細胞治療は根本的に病気を治療する治療手段と言えます。また、静脈から投与できる為、安心して治療を行うことも出来ます。
間葉系幹細胞治療とは、自身の骨髄から骨髄幹細胞や造血幹細胞を採取し、再び自身の体内に静脈投与する方法です。間葉系幹細胞の採取は入院する事もなく、当日行うことが可能です。
どのような患者さんにも、対応できるのが、当院の強みです。
臍帯血幹細胞と骨髄血幹細胞の自閉症治療への違い
当院では骨髄幹細胞を用いますが、アメリカ(とくにデューク大学で行われている)臍帯血と成分は変わりません。例えば、白血病への治療の造血幹細胞移植でも、保険診療において骨髄血と臍帯血は両者使用可能で、治療成績も大きく変わりません。
自閉症への投与も、臍帯血の間葉系幹細胞投与と同様の効果が得られると考えられます。
臍帯血を使用するメリットとしては、骨髄血を採取する手間が省けることですが、デメリットとして保管に伴って生じる細胞劣化のリスク(どのような保管プロセスを行っても、かならず細胞は劣化してしまいます。)および臍帯血がなんらかの操作、もしくは保管中に細菌感染してしまうことがあります。また当院のように患者さん自身の細胞ではなく、デューク大学のように他人の細胞を使用する場合は、アナフィラキシーショックのリスクがあり、実際に症例として報告されています。また他人の細胞を使用するとなると、保管費用、提供者への謝礼など莫大な不必要なコストがかかり、結果不要な治療費がかかってしまいます。幹細胞移植治療は複数回行うこともあるため、ここまで高額になってしまうと現実的ではなく治療としては不適切であると当院は考えています。
逆に骨髄血を使用することのメリットとしては採取後すぐに使用することができ、感染のリスクを最小限(ほぼゼロ)に抑えることができることと細胞劣化がない、治療と関係のない不必要なコストはカットすることができるということです。
また骨髄血では完全に自分自身のものを使用できるので、たとえ近親者でも他人のものを使用する臍帯血移植ではアレルギー、アナフィラキシーショックなどのリスクが生じます。たとえ近親者でHLAが一致していたとしても、他人の細胞の場合はアナフィラキシーショックの可能性がわずかながらあり、実際に他人の細胞を使用した例で、アナフィラキシーが生じた症例も報告されています(当院の治療では生じ得ません)。
生じてしまうと致死的になり得る為、安全性の面から言えば、骨髄血の穿刺自体の治療手技は現在はとても安全なものになりましたので、アレルギー、アナフィラキシーのリスクのない同一人物のものを使用する当院の治療法の方が優れていると考えています。
骨髄血の穿刺自体は、日常的に小児の白血病などの血液疾患の患者方に世界中で、ものすごい数が行われているものであって、安全性が確立した治療手技です。
こちらの解説でもお分かり頂けると思いますが、「大病院がやってるから安全だ」、「大病院がやってるから優れている」などということは全くありません。
それは、重ねてになりますが、治療法の内容の理解を放棄してしまって、ヒューステリック(本質的内容以外の点で判断してまうこと)に依存してしまっていることからくるものでありますので、最先端の医療を受けられる場合は、治療内容の理解というものを絶対に放棄することなく、決断いただきたいたいと思います。
幹細胞治療と幹細胞上清液治療(サイトカイン、エクソソーム)の違い
著書にも記載させていただきましたが、以前からですが、自閉症に対してエビデンスがない、日本以外のすべての先進国で禁止されている「幹細胞上清液」を幹細胞治療と誤解させて治療をするところが未だに少なくありません。
幹細胞上清液治療(サイトカイン、エクソソーム)に関して言えば、自閉症、ASDへ有効だとするエビデンスがありません。
幹細胞治療と幹細胞上清液(サイトカイン、エクソソーム)治療は全く別物で、幹細胞上清液(サイトカイン、エクソソーム)治療はエビデンスもないものが多く、安全性も効果も確立されておりません。また安全性の問題で日本以外では、投与は禁止されております。さらに詳しくはこちらをご覧ください
間葉系骨髄血幹細胞移植治療が自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に治療効果を発揮する原理
そうは言っても本当に自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に効果があるのだろうか、、
不安に思っている人も多いと思います。以下、間葉系骨髄血幹細胞を移植する事で、どうして治療効果が得られるかを具体的に述べていきます。大切なところなので、もう少々お付き合いください。
間葉系幹細胞は、自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に対して具体的に4つの効果があります。
失った神経を再生させる効果、自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害で機能不全が起きていると言われている免疫を調節する効果(抗炎症効果)、低下している脳血流を改善させる効果です。
これらの効果が合わさって、間葉系骨髄血幹細胞による治療効果が生まれることになります。
1.間葉系幹細胞の神経再生効果
間葉系幹細胞が脳の神経細胞に成長していき、結果的に脳の神経細胞の数を増やします。また、間葉系幹細胞によって放出されるサイトカインという炎症反応で放出される物質によって、傷ついた神経細胞を再生させます。
下記はヒトのES細胞と呼ばれる、間葉系幹細胞と性質の近い細胞が、脳の神経細胞に成長していく様子を書いたものです。
2.間葉系幹細胞の免疫調節効果
間葉系幹細胞は免疫系の細胞になることが出来、免疫の反応による異常な炎症反応を抑えます。自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害で異常になっている免疫反応を正常化させます。
下記はMSC(間葉系幹細胞)が、NK細胞、T細胞、B細胞などの免疫系を担う細胞に成長していく様子、および、免疫抑制能力をもつ細胞が、過剰な免疫反応を抑えていく様子
3.間葉系幹細胞の脳血流改善効果
骨髄幹細胞の投与により脳の血管が新生され、脳の血流も改善します。骨髄幹細胞は、脳の血流を再び増やす作用もある事が分かります。
下記は、幹細胞が血管を再生していく様子
4、脳血液関門(BBB)の幹細胞修復効果
幹細胞は脳に到達すると、BBBを修復することが知られています。また自閉症や脳性麻痺など脳に障害がある方の場合にはBBBが変性していることがしめされています。これを修復できる効果があるとしめされています。これによって、炎症物質、刺激物質が脳に到達してしまうことを防ぎ、脳の神経の炎症を納めます
引用論文:
幹細胞治療の動画解説を見たい方はこちら
自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害に対する間葉系幹細胞治療のエビデンス、医学研究、医学論文の紹介
間葉系幹細胞治療の効果に関してより具体的かつ専門的内容。この項目では、効果についてより具体的かつ、専門的に、医学論文を解説する形で間葉系幹細胞治療の効果について解説していきます。内容がより高度になってきますが、ここが治療を受ける前に理解していただく必要がある「キーポイント」です。ここは、どうしてもご理解いただく必要がある分野です。
間葉系幹細胞から神経細胞が成長する事の研究
間葉系幹細胞は自分の細胞由来で、様々な細胞になることが出来ます。そのため、間葉系幹細胞治療は変化してしまった神経細胞を正常な細胞に置き換えることが出来ます。
では、そのような万能な細胞である骨髄幹細胞は、どの様にして様々な細胞に分化するのでしょうか。ここで、骨髄幹細胞が神経細胞に分化するメカニズムについて具体的に説明します。
間葉系幹細胞は生きた動物の骨髄から採取され、軟骨細胞、骨芽細胞(骨の元となるもの)、筋肉、中枢神経などになることが出来ます。
これは、実際に間葉系幹細胞から神経細胞が発生していく様子を観察した研究です。間葉系幹細胞は壊れた神経細胞になることが出来ます。
以下、間葉系幹細胞が神経を培養する培地で、次々と分裂するのを観察した実験結果です。
A:培地に間葉系幹細胞を注入して7.5時間、9.5時間、10.5時間、15.5時間後の結果です。
図から分かる通り、間葉系幹細胞は神経細胞になる事が出来ます。
引用論文
間葉系幹細胞治療で自閉症スペクトラムの症状が改善した研究
原理より実際の症状。この研究は、間葉系幹細胞治療の原理より、実際の症状にスポットを当てたものです。実際に間葉系幹細胞治療を行った医学研究を解説していきます。
ここで、自閉症スペクトラムの患者に、間葉系幹細胞を移植する事で治療した論文を紹介いたします。
まず、3~12歳の自閉症の患者37人を被験者とし、3つのグループに分け
1、ヒト臍帯血単核細胞(CBMNC)と
2、臍帯由来間葉系幹細胞(UCMSC)の併用移植の有効性を調査しました。
※単核細胞とは、間葉系幹細胞とは異なる細胞です。ここでは詳細な説明は割愛します。
①CBMNCグループ(14人の被験者、CBMNC移植とリハビリ療法を受けました)
②併用グループ(9人の被験者、CBMNCとUCMSCの両方の移植とリハビリ療法を受けました)
および③コントロールグループ(14例、リハビリ療法のみを受けました)。
移植には、週1回、静脈内および髄腔内に間葉系幹細胞注射を計4回行いました。研究は、24週間追跡調査され、移植後の4,8,16,24週間でチェックされました。
CARSという評価尺度を用いて、自閉症にどれほど間葉系幹細胞が効果があるのか見ることが出来ます。
以下、小児自閉症評定尺度(CARS)の結果です。
CARSは、一般に自閉症の子供を鑑別するのに用いられる、15項目からなる、行動を通して評定する尺度です。一般に、30未満が自閉症なし、30~36.5が軽度または中程度の自閉症、36.5以上は重度の自閉症と鑑別されます。
この表によるとCARSの評価は間葉系幹細胞を使用したグループで著しく低下し、自閉症が改善したことがわかります。
CBMNC:CBMNC移植とリハビリ療法
Combination:CBMNCとUCMSCの両方の移植とリハビリ療法
Control:リハビリ療法のみ
表から読み取れるように、24週間でCBMNCおよびコントロールグループと比較して、併用グループで大きく減少しました。合計スコアの変化は、併用グループで37.9%減少しており、これはCBMNCグループで観察された20.0%およびコントロールグループで13.7%の減少と比べて良い結果でした。故に、CBMNCとUCMSCの両方の移植は単独の移植と比べて効果が高く、コントロールと比較すると臍帯由来幹細胞は自閉症を改善することが分かりました。
引用論文
間葉系幹細胞治療で自閉症スペクトラムの脳血流が改善した研究
間葉系幹細胞により脳の血流が改善したことが分かりました。
以下、骨髄幹細胞を使って実際に治療した症例です。
自閉症の6歳の患者に骨髄幹細胞を投与し、3~6か月観察し、その機能改善を調べた研究を紹介いたします。患者は骨髄幹細胞を自分の骨髄から採取し、病気の重症度がスコア5(著しく重症)からスコア4(中程度)へと変化しました。小児自閉症評定尺度(CARS)も42.5から35.5(30以下が正常)に変化し、改善を示しました。
以下、患者の脳のPET-CTスキャンの画像です。
PET検査とは陽電子放射断層撮影のことで、がん細胞に目印を付けてがんを正確に発見できることで有名です。しかし、PET検査はがんだけでなく、脳血管障害に対しても有効に利用することができます。脳の血流や代謝の状態を画像として捉え、脳血管障害の重症度評価、治療方針の決定、治療効果判定などを行います。
A:骨髄幹細胞投与前
B:骨髄幹細胞投与後
Aの投与前における青色の代謝異常部位も、骨髄幹細胞を投与した後(B)では緑色の正常に変化していることが分かります。
代謝は脳の血流が元に戻る事で正常に改善されます。つまり、骨髄幹細胞の投与により代謝が改善し、脳の血流も改善しているのです。骨髄幹細胞は、脳の血流を再び通す作用もある事が分かります。
引用論文
自閉症(自閉症スペクトラム)における間葉系幹細胞治療で期待できる症状改善効果
自閉症を根本的に治療する事はいまだ解明されていませんが、間葉系幹細胞治療は確実に自閉症の症状を緩和することを示す研究が多々行われて実証されています。間葉系幹細胞を移植することで、従来不可能であった自閉症の根本的な治療を可能にし、社会生活を送るための手助けとなります。
自閉症スペクトラムにおける他の治療と比較したメリット
既存の治療と比較した場合の間葉系骨髄幹細胞移植治療の一番のメリット、それは脳機能を根本的に改善できること、すなわち脳神経細胞、脳血管の数を増やせることです
自閉症は、神経における発達の異常であると言われています。一般に、現在行われている治療は行動療法と薬物療法の併用です。これらは対症療法(その時に起こっている症状を一時的に和らげるもの)であり、自閉症スペクトラムの脳機能を根本的に改善する治療ではありません。
対して、間葉系幹細胞治療は変化してしまった神経細胞を正常な細胞に置き換えることが出来、炎症反応も抑制する事から、根本的に病気を治療する手段と言えます。また、静脈内投与である為、安心して治療を行うことも出来る治療方法と言えるでしょう。
実際の間葉系骨髄幹細胞移植治療の方法
痛みと不安に配慮した方法。以下で、当院での治療の流れを説明します。
大まかな流れとして、まずお子様は静脈麻酔で眠っていただき、痛みを感じない状態にします。なお、当院では安全のため、必ず麻酔時に小児の救急に十分な経験を持った医師が治療に携わるようにしています。
細い針を骨盤に穿刺し、お子様の骨髄を採取して、間葉系幹細胞を移植します。この際に適切な痛み止めを使い、痛みに最大限配慮した方法で行います。
また、実施する医師は、小児の間葉系幹細胞治療を得意とした医師が行います。
まず1回治療を行い、一定期間後に治療効果を判定し、次回以降の治療を決定します。患者さんの病気の状況次第で臨機応変に対応いたします。
ここで、骨髄幹細胞を取る際の方法として、骨髄穿刺と脊髄穿刺を混同している患者さんが多く見受けられます。
間葉系幹細胞で治療可能な自閉症(自閉症スペクトラム)の患者層
治療可能な自閉症スペクトラムの患者方は、医師の判断により 一定程度のIQが認められる方に特に積極的に推奨させていただいています。それ以外の方でも、ご希望があれば対応可能です。最近のトピックとして、できるだけ若い年齢のときに治療をしたほうが治療効果がよくなると分かってきております。当院では、1歳代から治療実績があります。のべ治療件数は500件以上で、重篤な副作用が生じた方、緊急搬送が必要になった方は1例もいませんが、万が一の緊急体制も確保して治療を行っています。治療奏功率としては90%以上を確保しております。なお、当院は成人小児問わず、幹細胞治療においても、世界基準の観点でも治療の安全性の点ではトップレベルの配慮を行っていると自負しております。
自閉症スペクトラムにおける間葉系骨髄幹細胞移植治療で期待できる具体的な症状の改善
自閉症(自閉症スペクトラム)に間葉系骨髄幹細胞を移植する事で、様々な良い効果をもたらすことが分かっています。
例えば、集中力の向上、適応力の向上、言語能力の発達など自閉症に特有の症状です。
医学論文では、以下の通りの効果が実証されています。
- 集中力が上がり、持続するようになりました
- アイコンタクトが取れるようになり、他の子どもたちと意思疎通が取れるようになりました
- 家庭内や外でその場に応じた適切な行動を取れるようになりました
- 大きな音や見知らぬ人、明るい色への極度の恐れがなくなりました(これは段階的に改善されます)
- 睡眠障害が改善されました
- 非言語コミュニケーションが取れるようになりました
- より活動的になりました
引用論文
実際に海外の間葉系幹細胞治療センターで、間葉系幹細胞により自閉症スペクトラムを治療することで得られる効果を以下の通り報告しています。
集中力だけでなく、消化機能も向上するのです。
- 偏ったものだけでなく、新しい食べ物も食べるようになり、消化機能も向上します
- 他のものや人に興味を示さなかった子は、興味を示すようになります。
- 言語能力が向上します。
- 文字を書く能力が向上します
- セルフケアのスキルが向上します
基本的には、症状の改善であって、必ずしも治療により完全に正常化するわけではないことをご確認ください。
骨髄間葉系幹細胞移植治療と同時に当院で提供している自閉症の治療
自閉症へのABAセラピー
ABAセラピーは親御さんはご存知の方も多いと思いますが、応用行動分析学を基にして、自閉症児童のポジティブ行動の頻度を上げ、ネガティブ行動の頻度を下げることを目的にした行動療法です。これはすなわち報酬による行動の動機付けを行うことであるが、幹細胞移植治療はABAセラピーとの相乗効果が認められており、積極的に幹細胞治療と並行して行っていただくことを推奨しています。
自閉症への免疫グロブリン療法
幹細胞治療に比べて、免疫グロブリン療法は副作用が多いため、当施設では、何らかの事情で幹細胞治療が行えない方などに対して、免疫グロブリン療法を行います。
自閉症への免疫グロブリン療法とは
免疫グロブリンは血液や体液中にあり、異物が体内に入った時に排除するため抗体として働く免疫を担う物質のことです。免疫グロブリン療法は、免疫グロブリンは炎症反応を鎮める役割を果たすため、免疫グロブリンを静脈内に投与することで、免疫の異常暴走が原因と言われている自閉症の症状を改善します。
当院では、間葉系幹細胞治療に加えてオプションとして免疫グロブリン療法も併用いたします。
免疫グロブリン療法により自閉症が治療できるメカニズムおよび実際の研究
最新の研究によると、自閉症スペクトラム障害(ASD)の患者の免疫系は、正常に機能していない事が分かっています。ASDは臓器に特異的なものでなく、全身性の異常によって引き起こされます。よって、全身を調節する免疫系の調節が機能不全となっています。故に、自閉症患者の免疫系を正常に戻す事で、間接的に自閉症を治療することが可能となるのです。
近年、免疫系を正常に戻すべく、ASDの患者の静脈内に免疫グロブリンを投与する事が自閉症における免疫グロブリン療法として注目されています。静脈内に免疫グロブリンを投与する事により、自閉症患者に特有の、異常な行動や発話困難、社会的相互作用の困難のような症状を改善することが示されています。
ここで、実際に自閉症患者に免疫グロブリンを静脈内投与し、その有用性を示した研究を紹介いたします。自閉症患者12人に対し、免疫グロブリンと偽薬を交互に投与しその効果を測定するクロスオーバー試験を行いました。実験の評価は、自閉スペクトラム症における異常行動チェックリストであるABC(Aberrant behavior checklist)を用いて行われました。免疫グロブリンは6週間連続投与されました。以下、その実験結果です。
ABCにおける数値が低いほど、その異常行動を取る事が少ないことを示しています。プラセボ(偽薬)と比較し、免疫グロブリンを投与した患者は過敏性や多動性、不十分なアイコンタクトや不適切な会話など自閉症に特有の症状が有意に減少している事が分かりました。つまり、免疫グロブリンの投与によって、自閉症の症状は大幅に改善している事が示されました。
自閉症スペクトラム障害における生理学的異常の研究動向のレビュー
自閉症に対する腸内フローラ移植
腸内フローラに関して言えば、こと日本で、独特の広告により、比較的広まっている治療法です。自閉症との関連は確かに関連しておりますが、そもそも「自閉症特有の偏食」が腸内フローラの悪化を生み出すのであって、腸内細菌の悪化が原因ではない、という考えもあります。すなわち腸内フローラの異常は自閉症の結果であって、原因ではないということがオーストラリアのchroe医師より、先日発表されました(詳しくは「自閉症に関連する食事の取り方が自閉症の腸内細菌を作り出す」)
なおここの研究では、自閉症の症状を引き起こす可能性がある腸内細菌はわずか1種類しか見つからなかった、その他は単なる自閉症の偏食が原因の腸内細菌の異常に過ぎない、と結論付けています
図にすると
❌腸内フローラの異常→自閉症の症状を引き起こす、ではなく
⭕️自閉症特有の偏食→腸内フローラの異常→腸内フローラの異常から2次的に生じる何らかの症状
すなわち、腸内フローラの改善によって自閉症の症状が改善しても、「自閉症特有の偏食」が治らない限りは、腸内フローラが改善したとしても、また偏食によって腸内フローラは悪化していきますから、あくまで一時的な対症療法に過ぎず、根本的治療とは言えません。
すなわち腸内フローラの改善を望むのであれば、「偏食」を根本的に直す必要があります。「偏食」を改善することによって腸内フローラも正常に戻していくことそのものが、幹細胞移植治療の大きなメリットであると言えます。逆に言えば、「このように偏食が治ってないうちは、腸内細菌改善が対症療法に過ぎない可能性がある」ということを説明しないで治療を提供している場合は、重大な「説明義務違反」が疑われます。もちろん当院で腸内細菌改善療法を提供する場合は、偏食が治らなければ一時的な対症療法であるということを十分に説明して行います。
当院では幹細胞治療により偏食が緩和されない限りは、積極的には推奨していませんが、もし治療のご希望がある場合は
自閉症への腸内フローラ移植は、当院では他院に比較して非常にリーズナブルな価格で提供しています。また、幹細胞治療を受けられた方には大幅な割引価格で提供中です。
自閉症に対するオキシトシン療法
自閉症に対してのオキシトシン療法は現在、注目されている治療法の一つです。実際にオキシトシン受容体に欠陥があると、知能水準が低下するということがわかってきております。
詳しくはブログで解説しております。
自閉症、幹細胞治療に対する質問集
こちらでは、自閉症に対する間葉系幹細胞移植治療に対する主に批判的な質問に対して、その点に回答していきたいと思います。当然ながら、科学的な批判に関しては、答えれるようでなければ治療を提供してはいけないと思います。ですが、「宗教的批判」には答えることはできません。それは科学ではなく、宗教、信条だからです。宗教には理論や科学的事実では議論ができません。
例えば、当ページで提供しているように、科学的根拠が存在しているにも関わらず、科学的根拠を示さないまま「根拠がない」という主張を展開するのは、「真に不勉強で無知」であるか、科学を否定する「宗教的主張」を行っているに過ぎません。宗教的主張には科学は反論できません。もちろん「科学」より、科学的根拠を持たない「宗教的主張」を個人的に信用するのは本人の自由であると思いますので、それ自体は否定はしませんが、その「宗教」をあたかも「科学的事実」のように間違って主張することはあってはならないことだと思います。
Q1、「成体の骨髄幹細胞は神経に分裂しないのだから、自閉症に治療効果はない」と書いてあったから、効果はないのではないでしょうか?
→もし、あなたが間葉系幹細胞治療を考えているのであれば、この主張の間違っている点を指摘できる必要があります。
まず大きな問題点は、「○○」と書いてあったからどうなのか、この手の考えをされる方は、まず全ての科学的主張では、その出典をチェックするということを身につけて頂きたいのです。インターネットでは、教育、勉強を一切受けていない人間が、匿名で無責任に発言できてしまう世界です。もうこれからの時代はそれではいけないと思います。医師であろうとも一般人であろうとも発言には必ずエビデンスを引用する、また、発言には見た際にはエビデンスが付いているかを必ずチェックする癖をつけていただきたく思います。
さて本題です。「成体の骨髄幹細胞は神経に分裂しないのだから、自閉症に治療効果はない」という点に関して、まず1点目ですが、まず自閉症に治療効果を出すために、必ずしも神経に分裂する必要はありません。間葉系幹細胞の治療効果を思い出してください。
1、標的細胞(神経)への分裂、2、血管の新生、3、免疫の調節 です。
間葉系幹細胞自体は非常に多様な効果を持つものであって、例え標的細胞にならないとしても、2、3の効果が実際の治療効果を出すことは十分に考えられます。ですので、神経細胞に分裂しないからと言って治療効果を否定するこの論理は破綻しています。(神経に分裂することは、自閉症に治療効果を出すための必要条件ではありません)
次の論点ですが、「成体の骨髄幹細胞は神経に分裂するかどうか」に関しては、試験管の中で「骨髄幹細胞が神経細胞に分裂していくこと」は十分に確認されており、その実際の論文も上記「論文紹介」で紹介しています。試験管の中では非常に観察しやすく、他にも多数の論文があります。もうすでにこの時点で、先の主張が間違っていることがわかっていただけたと思います。
さて、次は「試験管の中」ではなく、「実際の体内」で神経細胞に分裂するかどうかを見ていきましょう。実際の体内で間葉系幹細胞の挙動を確認することは、ここは非常に重要なので、難しかったとしても理解を放り出すことなく、ついてきていただきたいと思います。ここが本当に重要です。そうしないと、今回述べたような、よくある「科学的根拠のない言い切り型の非科学的主張」にあなたの人生がいつまでも影響されてしまう可能性があります。
移植した細胞が実際の体内でどう振る舞うかを確かめる方法は何通りかありますが、動物実験でよくあるのは性別の異なる細胞か染色した間葉系幹細胞を移植して、組織に移植された細胞が存在するかどうかを確かめる、という方法があります。
例えば、メス(Y染色体を持たない)のラットにY染色体(オスのみが持つ染色体)を持ったオスの細胞を移植した場合、組織を取り出して見た場合に、Y染色体を持った細胞を確認できれば移植した細胞からしか生まれることのない細胞なので、移植した幹細胞が、定着し、分裂、成長したことが分かります。
Brazeltonらは、Y染色体を持った間葉系幹細胞をメスのラットに移植することにより、神経分裂の非常に活発な場所であるolfactory bulb(嗅球)で、移植から2、3ヶ月後にした間葉系幹細胞由来(すなわちY染色体を持つ)の細胞を確認しています。(From marrow to brain: expression of neuronal phenotypes in adult mice T R Brazelton1, F M Rossi, G I Keshet, H M Blau))
Mezeyらは、同様の方法で脳のcortex(皮質), hypothalamus(視床下部), hippocampus(海馬), amygdala(扁桃体), periaqueductal gray matter(水道周辺灰白質), and striatum(線条体)に移植した間葉系幹細胞由来の細胞が生じていることを証明しました。(Turning blood into brain: cells bearing neuronal antigens generated in vivo from bone marrow)
上記はラットでの場合でした。それでは、人間の場合はどうなるか?を見てみましょう。
Mezey らは、性別を間違えて間葉系幹細胞を移植してしまったケースを用いて、人間でもラットと同じように脳内でneocortex(新皮質) and hippocampus(海馬)で、移植した間葉系幹細胞が分裂し定着したことを証明しました。すなわち女性(Y染色体を持たない)に男性の間葉系幹細胞(Y染色体を持つ細胞)を間違って移植してしまったケースでどうなったのかを追跡することにより、移植した幹細胞がどこにどのように成長したかを確かめることができました。(Transplanted bone marrow generates new neurons in human brains Eva Mezey1, Sharon Key, Georgia Vogelsang, Ildiko Szalayova,G David Lange, Barbara Crain)
このように移植した間葉系幹細胞が神経細胞に分裂し、定着することは「科学的に証明」されています。このような科学的知識を勉強もせずに間違ったことを発信してしまう人が残念ながら一定数います。
みなさまは、常にその出典をチェックして、発言を受け止めるということをしていただきたいと思います。
Q2、自閉症の病気を持つ自分の幹細胞を移植しても効果があるのでしょうか?すなわち、幹細胞自体が何か問題があるのではないか?
これは、幹細胞治療の効果の機序を十分に理解されていないためかと思われます。そもそも幹細胞治療は、
1、脳血流改善効果、2、神経の炎症改善効果、3、血液脳関門修復効果があると述べました。すなわち、もし自閉症に何らかの遺伝的欠陥が影響していたとしても(遺伝的な問題がないお子様でも他の何らかの要因で自閉症は生じる可能性があるため、自閉症の方に必ず何らかの遺伝子レベルでの問題があるわけではありません)、上記の1、2、3の効果は遺伝子の問題によらず、生じるものと成りますので、患者さん自身が何らかの遺伝的問題を抱えていることにより幹細胞治療の効果がなくなるということはありません。
自閉症と幹細胞治療の未来(ips細胞など)
幹細胞治療自体は、日進月歩で進歩しており、今後さらなる進化(最新治療)が生まれるかもしれません。例えば、ips細胞のように自分の皮膚などから幹細胞(全能性細胞)を作って投与したり、例えば投与方法も、静脈投与ではなく、よりアグレッシブな投与方法が生まれるかもしれません。ただし、現在の方法でも、あえてips細胞などは使用しなくても、90%以上の方で、症状の部分的改善は生まれています。今後は、もしかすると、自閉症の遺伝子の方に応じて、幹細胞を遺伝子操作して投与するなどの方法が取られるかもしれません。
研究によると自閉症もiPS細胞により治療可能ということが分かっています。以下、研究の要約です。
自閉症スペクトラム障害 (ASD) は、特定の社会的症状、制限された興味、および常同的な反復行動を特徴とする神経発達状態です。
遺伝子研究により多数の遺伝子変異の候補が特定されていますが、ASD の分子的および細胞的病因は依然として不明です。
一般的な遺伝的変異に加えて、de novo 突然変異も ASD のリスクに大きく寄与することが示唆されています。特に、再発性の高い新たな機能喪失の可能性のある突然変異を持つ遺伝子は、ASD と関連している可能性が高くなります。
最近、我々と他のグループは、POGZ 遺伝子が ASD 患者で最も頻繁に変異する遺伝子の 1 つであることを特定し、POGZ の新規変異が ASD の病因に関連している可能性があることを示唆しています。私たちは、POGZ 変異を持つ患者由来の iPS 細胞と、患者と同じヘテロ接合性 POGZ 変異を持つ疾患モデルマウスを用いて、ASD に関連する de novo POGZ 変異が皮質神経細胞の発達を阻害し、ASD 関連の行動異常を引き起こすことを実証しました。成人になっても薬による治療が可能です。
これらの観察は、信頼性の高い ASD 遺伝子における ASD 関連の de novo 変異が ASD の発症に関与する幅広いプロセスにとって重要であることを示唆する in vivo の証拠を提供します。
最後に
以上、できる限り、医学上のデータを示して自閉症(自閉症スペクトラム)、発達障害への間葉系幹細胞治療を紹介して参りました。誰が発信したか分からない、何の医学的根拠もない発言に影響される人もいれば、正当な医学の学問をベースとして、治療を受けるかどうかを考える人もいます。もちろんすべての治療がそうですが、エビデンスがあるからと言って、全員に治療効果があるわけではありません。エビデンスがある=全員に効果がある、ではないという点も必ずご理解いただいた上で治療を行う必要があります。
何を拠り所にするかは、あなたの自由です。あなたの大切なお子様のため、何を根拠に考えれば良いか、真剣に考えていただきたいと思います。
自閉症について、もっと詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
1.自閉症・発達障害の歴史
全ての発達障害の始まりは、レオカナーによる報告から始まります。
1943年、アメリカの精神科医であるレオ・カナーが通常と異なる行動を起こす特定のパターンの児童について「早期幼児自閉症」として報告しました。1944年、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーとによって「自閉的精神病質」という論文が発表されました。しかし当時は認められませんでした。1981年、イギリスの児童精神科医であるローナ・ウイングが、カナーとアスペルガーの報告したものは同一であると発表しました。1994年、DSM-4(精神疾患ガイドライン)に初めてアスペルガー障害は記載され、知的能力や言語発達に遅れのないタイプも認められるようになりました。2013年、DSM-5(精神疾患ガイドライン)が発表され、広汎性発達障害は自閉症スペクトラム障害と改名されました。DSM-5(精神疾患ガイドライン)では、知的障害の有無を問わず、知的障害のないとされる広汎性発達障害を包括して「自閉症スペクトラム障害」としてまとめました。
2.自閉症の原因
自閉症スペクトラムには単一の原因はなく、遺伝要因と環境要因の両方が起因していると考えられます。
遺伝要因
自閉症スペクトラムは、レット症候群や脆弱X症候群などの遺伝性疾患と関連している場合があります。遺伝性疾患による突然変異は自閉症スペクトラムのリスクを高める可能性があります。親が自閉症スペクトラムの遺伝子を持っていることで遺伝する事もあると言われています。
環境要因
妊娠中のウイルス感染、薬物療法または合併症、大気汚染物質などの要因が自閉症スペクトラムの引き金になっている可能性があります。また、高齢出産や妊娠26週以下の早産も要因となることもあります。また、幼少期のチメロサールと言われる防腐剤として使われる水銀化合物を含むワクチン摂取が原因となっている可能性も指摘されています。
3.自閉症の症状
通常、生後12~24か月の幼児期に現れます。初期の症状には言語または社会的発達が著しく遅れるなどがあります。例えば、アイコンタクトが減ること、自分の名前への反応が減ること、他人へ無関心になることなどがあります。また、生後数か月~数年は正常に発達し、突然引きこもりや攻撃的になったり、既に習得した言語スキルを失ったりします。
自閉症スペクトラムを持つ子供は一般に学習するのが困難であり、日常生活で知っていることを伝えたり、応用したり、社会的状況に適応するのに苦労します。
社会的困難
- アイコンタクトをせず、顔の表情がない
- 異常なトーンやリズムで話し、ロボットのようなスピーチをする
- 感情を表現せず、他人の感情も理解しないように見える
- 物に興味を示さない
- 攻撃的、破壊的行為をする
- 他人の表情、仕草、声の調子を認識できない
- 一人で遊ぶことを好み、自分の世界に後退する
行動パターン
- 自傷行為を引き起こす可能性がある行為をする
- 身振り手振りが奇妙であったり、硬いまたは誇張しすぎている
- 模倣行動を行わない
- 特定の食しか食べない
- 光や音には過度に敏感であるが、痛みや温度には鈍感
4.自閉症の疫学
CDCによると54人に1人の子供が自閉症スペクトラム障害を持つと報告されています。人種間に差は見られませんが、男性は女性より約4倍発生する確率が高いとも言われています。女性では知的障害を伴うことが多い傾向があり、知的障害を伴わない女性は社会的生活での困難があまり目立たず生活していることもあります。また、自閉症スペクトラムと診断された子供の内、3分の1に知的障害があることが分かりました。
また、学習障害(LD)の発生頻度は、アルファベット語圏で3~12%と報告されています。日本では、学習面に大きな困難を示す児童生徒は4.5%存在することが示されています。日本語はひらがな・カタカナ・漢字の3つの文字表記がありますが、ひらがなの学習障害は0.8~2.1%の有病率とされます。
5.自閉症の診断
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアルによると、診断基準は以下の通りです。
DSM-5における自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)の診断基準
以下のA、B、C、Dを満たしていること。
A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害(以下の3点で示される)
①社会的・情緒的な相互関係の障害。
②他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害。
③年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害。
B:限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上の特徴で示される)
①常同的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方。
②同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、言語・非言語上の儀式的な行動パターン。
③集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある。
④感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心。
C:症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある。
D:症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている。
引用元:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル(医学書院)(日本精神神経学会)
また、自閉症スペクトラムを診断するのに用いられる尺度が小児自閉症評定尺度(CARS)です。
小児自閉症評定尺度(CARS)とは
小児自閉症評定尺度は,自閉症児と自閉症候群以外の発達障害児とを鑑別するために開発されたもので、15項目からなる行動を通して評定する尺度です。重症だけでなく、,軽中度の自閉症児と中重度の自閉症児を分類します。15項目は、以下の通りです。
- 人との関係:人に関心があるかどうか、対人接触を拒否するかどうか。
- 模倣:言語性・動作性ともに、人の真似をするかどうか。
- 感情:場面に適切な感情反応が見られるかどうか。
- 身体の使い方:年齢相応の身体の使い方が出来ているかどうか、身体意識は正常かどうか。
- 物との関係:物に関心を示すかどうか、適切な使い方が出来ているかどうか。
- 環境変化に対する適応:環境や状況や活動の変化に対応できるかどうか。
- 視覚による反応性:人や物を見るかどうか、中空を凝視したりおかしな見方をしないかどうか。
- 聴覚による反応性:音や言葉に対する反応はどうか、敏感なのか無関心なのかどうか。
- 近受容器による反応性:触覚・痛覚・臭覚の反応は正常かどうか。
- 不安反応:愛着対象との分離に対する不安の有無、重力不安があるかどうか。
- 言語性のコミュニケーション:発語の有無、オウム返しや奇妙な話し方があるかどうか。
- 非言語性のコミュニケーション:顔の表情・身振りなどへの反応・表出があるかどうか。
- 活動水準:多動あるいは寡動か、行動抑制ができるかどうか。
- 知的機能:知的機能に遅れがあるかどうか、また、アンバランスがあるかどうか。
- 全体的な印象:自閉症~軽度の自閉症~中度の自閉症~重度・極度の自閉症。
この15項目のそれぞれについて、(1)正常範囲内~(2)軽度の異常~(3)中度の異常~(4)重度の異常という評点をつけます。総得点が30点以上が「自閉症」と診断されます。しかし、30点未満であっても、アスペルガー症候群や広汎性発達障害である可能性はあります。
引用元:新装版CARS―小児自閉症評定尺度(岩崎学術出版社)
学習障害について
自閉症スペクトラム障害(ASD)の一つである学習障害(LD)が判明するのは、学校に上がってからがほとんどです。文章を読んだり、文字を書くことを学習していく際に、どのような困難が生じたかを調べていきます。また、認知機能の水準や書字、読字、視覚認知の検査も行い、診断を行います。学習障害(LD)の診断は、標準化された読字・書字検査に基づいて行われることになっています。診断の流れは以下の通りです。
最初に知的機能評価を行います。Wechsler式知能検査などの標準化された知能検査が重要です。知能指数(IQ)が知的障害のレベルにはないことを確認します。
次に、ひらがな音読検査を行い、その流暢性や正確性を確認します。2010年に発行された「特異的発達障害診断・治療のための実践ガイドライン」に、4つの音読検査が示されています。また、STRAW-R、KABC-II習得度検査、CARD等により、漢字やひらがなの読字書字到達度を測ることができます。最近は、英単語の読み書き理解についての検査法も刊行されています。
読みを支える側面について、音韻認識機能の検査(しりとり、単語逆唱、非語の復唱)、視覚認知機能の検査(Rey複雑図形模写、視知覚発達検査)、言葉の記銘力検査(auditory verbal learning test; AVLT)などを行う場合もあります。
6.自閉症の病態
ここで、自閉症の病態について説明いたします。少々難しい説明が続きますが、お付き合いください。
1、免疫異常、神経の過剰炎症
自閉症スペクトラム障害は、幼児期における神経の発達異常で起こり、社会的コミュニケーションの障害と、反復行動を繰り返す行動の問題を起こします。神経の細胞を構成する遺伝子が関わっているとされ、胃腸の異常や免疫が低下することなどに、様々な環境要因が関連しているとされます。自閉症スペクトラムを持つ子供の多くは、腹痛、下痢、便秘、嘔吐、胃食道の逆流、腸管における感染症などの胃腸の問題を抱えています。これは、消化器官は免疫系と直接関係しており、自閉症スペクトラムの子供には、異常な免疫反応を起こすからであると言われています。
では、その免疫異常はどのようなものでしょうか。自閉症スペクトラムの患者は、神経学的に異常があり、免疫の調節に異常を及ぼすと言われています。例えば、炎症を引き起こすサイトカインという物質のIL-6は睡眠を誘発することが出来、TNF-αは食欲を調節します。これらの自律神経に関わる炎症を引き起こす物質が、自閉症スペクトラム患者では過剰になっており、自己免疫の異常をもたらします。自己免疫が異常になると、神経組織を破壊したり、免疫の抗体を異常に産生するなど免疫の異常が起こります。
前述の通り、自閉症の患者は免疫の反応において異常を示します。神経の発生の初期に重要な神経の伝達物質の作用に異常であることで、全ての身体機能に異常をもたらします。例えば、自閉症スペクトラムの患者では、正常の患者と比較して、脳でグルタミン酸という興奮物質をGABAという抑制物質に変換する酵素が48~61%減少していました。これにより、GABAの減少により抑制する神経が減り、発作やけいれんなどを引き起こす事も解明出来ます。また、神経伝達物質であるセロトニンという概日リズム、食欲、気分、睡眠、不安、運動活動、認知などの正常な生理機能に幅広い影響を及ぼす物質も、5歳まで脳内で高く、その後低下することが分かっています。
引用論文
①Journal of Leukocyte Biology
②自閉症スペクトラム障害の病態生理学:胃腸の関与と免疫の不均衡の再考
2、脳血流、血管異常(血流不足)
自閉症の患者においては、脳の大部分において脳の画像測定において脳の血流障害、血行不良が認められます。また、尿中のケトプロスタグランジンという炎症物質が増加しており、血管自体が炎症していることも確認されています。これは遺伝的な可能性もしくは、水銀化合物の摂取などにより後天的に引き起こされている可能性があります。
一般的に、自閉症スペクトラムの治療は薬物療法だけでなく行動療法を組み合わせる方が、効果が高いと言われています。易刺激性(刺激に弱い)、多動、反復行動、引きこもりにはアリピプラゾールとリスペリドという薬が有効とされていますが、現実は症状を改善する効果は非常に薄く、ほとんどの親御さんは治療を諦めているのが現状です。
7.自閉症への対応
学習障害と診断された場合、学業不振だけではなく、学習以外の意欲の減退や心身症、不登校など学校生活における様々な問題に発展することがあります。そのため、学校では学習指導上の配慮を行い、適切な指導法を行なうように依頼します。また、両親を含めた周囲の理解も重要になります。