CPAP装着の2歳脳性麻痺の患者さん
本日は喉頭軟化症という呼吸病態も合併した2歳の男の子の治療でした。
CPAPという呼吸補助もつけているくらい呼吸のリスクがあり、治療(麻酔)ではいわゆる超ハイリスク群となります。舌根沈下が起きやすく、麻酔で気道が狭くなってしまうリスクがあります。また脳性麻痺による中枢性低換気(呼吸中枢がダメージを受けていること)もあります。
このような症例では、実際におきないようには細心の注意は払いながらも、麻酔により酸素低下が起こったときの対応を何重にも用意(シュミレーション)しておく必要があります。
まず麻酔では、導入と離脱を一般的な例より、かなりゆっくり行う必要があります。また麻酔薬も分解ができるだけ早いものを選択します。特に離脱に関してはゆっくり行わないとごく稀に気管がびっくりして呼吸がしずらくなってしまうことがあります。(適切な離脱を行えばまず起こりません)
また、たとえば、リスク管理として、舌根沈下がおきた場合はバックマスク換気をしてそれがダメならネーザルエアウェイという形です。それがダメなら一時的な気管挿管を試みるという形です(※当院で気管挿管まで必要になったケースはありません)
このように(あまり目立ちませんが)じつは実際は多くのバックアップを考えながら治療を行っているんですね。
なにはともあれ、このような超ハイリスク症例が無事に治療を終えられたこと、そしてご家族も心配だったでしょうが治療に踏み切っていただいたことに感謝したいと思います。