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血管内皮前駆細胞と間葉系幹細胞の効果の違い

[2026.04.04]

血管内皮前駆細胞(Endothelial progenitor cells)とは

血管内皮前駆細胞は、文字通り、血管を守り、修復、新生を専門的に担う細胞で、成人の体では主には骨髄に存在します。

血流が阻害された、されている場合に、血管修復、血管新生を専門的に担います。すなわち、障害を受けた部分のエネルギーを与える、活動を再開させる役目を持ちます。

例えば心筋梗塞、脳梗塞の患者さんでは、血管内皮前駆細胞が高い人では、低い人に比べて、再発率が少なく、機能回復も早いことが報告されています。(1)

また、この細胞は骨髄に存在する very small embryonic-like stem cells (VSELs):極小胚性幹細胞から作られることが分かっており、その意味でも骨髄に存在することがお分かり頂けると思います.

血管内皮前駆細胞と間葉系幹細胞の大きな違い

血管内皮前駆細胞と間葉系幹細胞の大きな違いは、血管内皮前駆細胞は血管を作り出し、血流改善を行う一方、間葉系幹細胞は、過剰な免疫の調整を行う作用が強いです。

下記は、血管内皮前駆細胞が、虚血部位に体内で新しい血管を作り出すイメージです(2)。

 

 

間葉系幹細胞の方は、血管を作り出す作用はそこまで強くありませんし、血管内皮前駆細胞がない限りは新しい血管を作り出せません。

 

一方、間葉系幹細胞の方は高い免疫調整機能を持ちます。下記の図はMSC:間葉系幹細胞 EPCs:血管内皮前駆細胞

TNF alpha blockとは簡単にいうと、過剰な免疫を抑える機能を持つということです。

 

血管内皮前駆細胞と間葉系幹細胞の違いが意味するもの

血管内皮前駆細胞と間葉系幹細胞は、効果が違うことをお示ししました。

よって、治療にあたっては、病態により、適切な方法を選ぶ必要があります。

重要な結論としては、虚血性疾患(脳性麻痺、脳梗塞、心筋梗塞)や血流の低下が起こっている病態(自閉症、糖尿病、認知症、パーキンソン病など)では、間葉系幹細胞の治療のみだと不十分になってしまうということです。

 

 

(1)Werner N; et al. (2005). "Circulating Endothelial Progenitor Cells and Cardiovascular Outcomes"New England Journal of Medicine353 (10): 999–1007. doi:10.1056/NEJMoa043814PMID 16148285

(2)Razazian M, Khosravi M, Bahiraii S, Uzan G, Shamdani S, Naserian S. Differences and similarities between mesenchymal stem cell and endothelial progenitor cell immunoregulatory properties against T cells. World J Stem Cells. 2021 Aug 26;13(8):971-984. doi: 10.4252/wjsc.v13.i8.971. PMID: 34567420; PMCID: PMC8422932.

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